行事への心持ち

運動会、発表会、参観日…保護者の方にとっては、特にお子さんの成長を感じられる大事な日です。
この日があることで子どもと成長を共有し、一緒に喜んで、また明日から頑張れる糧になる。
園も大事にしている日です。

その一方で、行事での「出来栄え」は園の評価につながることも間違いありません。
(大人が思う)すごい内容を見せることで、「よく教育してくれている」という評価につながることは間違いないでしょう。
園としてはもちろん、いい評価はありがたいです。

しかし、いい評価をもらう為に、子ども達に必要のない練習や気持ちの混乱・不安を課してしまうこともあります。

ですから、園の評価の前に「今、子ども達にとって何が必要で、何を援助することが大事なのか」考える必要があるのです。

この先一人の大人として社会に出ていく時、この時期の子ども達の生活1日1日が土台となって生きていくはずです。
『一人の「個」としての土台が形成される』と言われている乳幼児期に必要なことは、
「今素晴らしいものを見せるために頑張る毎日」ではなく
「自分を育てる為に、自分がやりたい事がやりたいだけできる毎日」だと考えています。

当園ではモンテッソーリ教育の「お仕事」を基盤とした日常の中で、行事に向けては子ども達が楽しんでできる練習と内容としています。

ですから、「しっかり、厳しく、華やかな行事を重視」していらっしゃる保護者の方には物足りなさを感じる内容だと思います。

園はそこを承知した上で、「子ども達一人ひとりが幸せな大人になる」為の土台づくりが重要であり、それはモンテッソーリ教育を通じて成すことができると考えています。

行事の成果は分かりやすく、毎日の成果は分かりにくいかもしれません。

しかし、私たちは目の前の成果を求めて子どもと関わっているのではありません。
1日1日子ども達の中に種をまき、10年後・20年後その種が1つ2つ…と花を咲かせる。その姿を想像しながら関わっています。


この乳幼児期に子ども達が求める環境を準備し、適切に提供していけるよう、
これからも子ども達の姿に学んでいきます。