本格的に冷え込み、新型コロナウイルスへの対策も…と気持ちの晴れない日が続いていますね。皆様いかがお過ごしでしょうか。
4月の入所に向けて園見学に来られる方も少なくありません。最近は、「モンテッソーリ教育について聞いたことがありますか」と尋ねると、8割・9割の方が首を縦に振って「聞いたことがある」と答えてくださいます。以前はそれほど「モンテッソーリ教育」に関心を持っている保護者の方はいませんでした。「たまたま、近所の園だった」がほとんどです。そう考えると、保護者の方の【子どもの教育】について、関心が少しずつ高まってきているのだと感じます。
それと同時に、【大人が子どもに求めること】への高まりも感じています。
お友達とは仲良く、好き嫌いなく何でも食べて、運動も好きでなんでもこなし、挨拶をしっかりできて、大人の指示をよく聞いて、保育園に嫌がらずに行って、よく寝てくれる‥子どもを持つ親であれば誰もが1度は我が子に「こうしてくれたら・こうだったらいいのに」と願い・思ったことがあるのではないでしょうか。「なんでもできる子」だったら…。または、子どもが困らないように、そうできる環境をできるだけ準備してあげようと思う。
親としてとても自然な想い・気持ちだと思います。
しかし、思い返すとこんな↑パーフェクトな大人がいるでしょうか。会社で誰とでも仲良く、親戚づきあいも上手くいっている。好き嫌いなく食べ飲みし、初めての場所でも、初対面の人にでも挨拶できて、上司の言うことすべて理解し、失敗なくきっちり仕事ができる…
私自身の答えは「いいえ」です。仕事では何度も失敗があります、ミスがあります。好き嫌いもあります。人の話は7割くらいしか聞いていません(笑)いえ、もっと聞けていないかもしれませんね。
実は、保育の現場でもそうした姿を子ども達に求めがちになってしまいます。それが子どもの姿であると勝手に先入観を持ってしまいがちです。
では…想像してみて下さい。
私たち大人が、会社でミスを絶対にしないことを求められたらどうでしょう。
1つミスをする度に「それはしてはいけないでしょ」と言われたらどうでしょう。
喧嘩した友達に、すぐに「謝って」とごめんなさいを催促されたらどうでしょう。
嫌いな食べ物を上司から「美味しいから食べてみろ」と言われたらどうでしょう。
では、反対に…
失敗したときに「そうだったんだね、じゃあ次はそうならないためにどうしたらいいかな」と上司が一緒に考えてくれたら。
ミスを受け止めて次の成功につなげよう!とする会社はどうでしょう。
喧嘩したら、お互い納得するまで話し合い、自分のタイミングで「ごめんね」が言えたらどんな気持ちでしょう。
嫌いな物でも、他の人が無理に食べさせてこず、美味しそうに食べている姿を見たらどうでしょう。
あくまでも、仮定の話ですが私たち大人はどちらの対応がうれしいでしょうか。きっと後者が気持ちがいいですよね。それは子ども達でも「同じ」です。
失敗したら「あ~!」と心のどこかで傷ついているでしょうし(それが表に出ない場合がほとんどですが)、次は上手くやりたい。と思っているのです(まだ調整がうまくいかず、できずに練習を繰り返す事がほとんどですが)。
この社会はいろいろな人がいて成り立っています。「得意」「苦手」があって当たり前なのです。ですから、子どもにも「得意」「苦手」があって当たり前。
「苦手」に注目して子どもがいろいろなことを経験できなくしてしまうのではなく。
「大丈夫」「あなたはそのままでいいんだよ」の支えがあれば、子どもは「苦手」な事にも頑張る力が出てくるのです。
大人が裁判官ではなく、子どもと隣で一緒に走っていける伴走者に。
そんな気持ちで、子ども達と関わっていきたいですね。
最近のコメント